新しい商標

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「特許法等の一部を改正する法律」が平成26年4月25日に成立し、同年5月14日に平成26年法律第36号として公布されました。この法律により商標法も改正されることになり、平成27年4月1日に施行されました(平成27年1月28日政令第25号)。商標に関しては、日本ではこれまで色彩や音といったいわゆる「新しい商標」は認められていませんでしたが、欧米等ではすでに認められており、日本の企業がこれらの国に商標登録出願し商標登録が認められているケースも増加し、日本における保護ニーズも顕在化していました。

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今回の商標法の改正で新たに認められた商標は、色彩のみからなる商標、動き商標、音商標、位置商標、ホログラム商標の5つです。

Ⅰ 色彩のみの商標

色彩のみの商標とは形状が特定されていない(輪郭のない)単色の標章、及び、形状が特定されていない(輪郭のない)色の組み合わせの商標です(「新しいタイプの商標に関する調査研究報告書」財団法人知的財産研究所52頁)。

Ⅱ 動く商標

動く商標とは、動きのある商標です。
<海外の登録例> OHIM(Reg.No.1864610 号)

Ⅲ 音の商標

音の商標とは、音を構成要素の一部又は全部のとする商標です。いわゆるサウンドロゴといわれるものなどです。
例:久光製薬 「ヒ・サ・ミ・ツ」

Ⅳ 位置商標

位置商標とは、位置により特定される商標、又は、位置に要部(出所識別機能を果たす部分)がある商標です(「新しいタイプの商標に関する調査研究報告書」財団法人知的財産研究所53頁)。
<海外の登録例>
欧州共同体商標(CTM) 商標番号:1180231 指定商品「ライフル銃望遠照準器」位置商標 例

Ⅴ ホログラム商標

ホログラム商標とは、ホログラム(干渉縞による光回析により画像を表示するもの)による商標です(「新しいタイプの商標に関する調査研究報告書」財団法人知的財産研究所9頁)。
<海外の登録例>
韓国登録(登録番号4009318260000)ホログラム商標 例

新しい商標により商標のバラエティがぐっと増えました。どのような商標が出願されてくるのか、とても興味深いです。

弁護士・弁理士 石川正樹